【2026年ホーチミン冠水】ブイビエン通りへ行けない。雨季にGrabが捕まらなかった実体験
2026年9月21日、ホーチミンのブイビエン通り周辺で働く知人から、短いメッセージが届いた。
「floodingがあった」
その時期、私もレタントン通りからブイビエン通りへ移動しようとしていた。いつものようにGrabを開けば車が見つかると思っていたが、画面には近くのドライバーがほとんどいないという趣旨の案内が出た。何度か試しても配車できず、市内中心部どうしの移動なのに目的地へ向かえなかった。
ホーチミンの雨季では、雨が観光の予定を少し変えるだけでは済まないことがある。道路が冠水すると、短距離の配車から空港への移動まで、一度に不安定になる。
9月21日、現地から届いた「flooding」の連絡
知人はブイビエン通り周辺のバーで働いている。9月21日に届いた連絡は公的な観測記録ではなく、その場所にいた人からの現地証言だ。
この日付と場所の冠水を、そのメッセージだけで都市全体の災害として扱うことはできない。一方で、同じ時間帯にホーチミンの広い範囲で強い雨が観測されていたことは、公表されたデータから確認できる。
ベトナム通信社系のVietnamPlusによると、9月21日13時から22日13時までの降水量は、ニャーベで131.6mm、カットライで112.6mm、カンゾーで109.8mm、タムトンヒエップで107.8mmに達した。
22日夕方にも市内の複数道路が局地的に冠水した。大雨が帰宅時間帯と重なり、車やバイクの流れが遅くなった。知人のメッセージは、数日にわたって続いた大雨の初期に現地で起きていたことを伝える一つの記録だった。
9月23日、ブイビエン通りは約30cm冠水
9月23日には、ブイビエン通りの冠水が現地メディアによって詳しく報じられた。
Tuoi Tre Newsによると、約1時間の激しい雨で排水が追いつかなくなり、ブイビエン通りや周辺道路に水が急速にたまった。近くのCo Bac観測点では、同日午後に89.2mmを記録している。
Thanh Nienは、ブイビエン通りの水深が約30cmに達し、場所によってはバイクの車輪近くまで水が上がったと伝えた。ブイビエン通りとDo Quang Dau通りの交差点には移動式のバリケードが設置され、車両の通行が制限された。
飲食店やバーは、水が店内へ入らないよう入口をふさぎ、テーブルや椅子を高い場所へ移した。観光客でにぎわう約400mの通りが、大雨から30分ほどで歩きにくい水路へ変わった。
Grabを開いても、車がいない
レタントン通りとブイビエン通りは、どちらも旅行者がよく訪れるホーチミン中心部にある。通常ならGrabで移動を組み立てやすい距離だ。
しかし大雨の時期には、その前提が崩れる。私がGrabを開いたときは、近くの運転手がほとんどいないという案内が表示され、車を確保できなかった。アプリは動いているのに、移動手段としては機能しなかった。
この配車不足を洪水だけが引き起こしたと断定することはできない。雨が降れば利用者が増える。渋滞で一台あたりの運行時間は長くなる。運転手が冠水した道路を避けたり、安全のために稼働をやめたりする可能性もある。
供給が減る一方で需要が増えれば、旅行者の画面には「車がいない」という結果だけが現れる。どの道路が冠水しているか知らない旅行者にとって、Grabが捕まらないこと自体が交通障害を知る最初のサインになる。
大雨は道路だけでなく、旅行の時間割を止める
雨季のホーチミンでは、一日中雨が降り続くとは限らない。短時間の激しい雨でも、低い道路や排水の追いつかない区間に水が集まる。雨が弱まった後も、冠水と渋滞、配車不足は残ることがある。
そのため「雨が止んだらすぐ移動できる」とは考えないほうがいい。レストランの予約、ツアーの集合、空港へ向かう時間を詰めていると、一回の大雨で後の予定がすべて崩れる。
特に注意したいのは、Grabを唯一の移動手段にしないことだ。大雨が予想される日は予定の間隔を広く取り、徒歩で移動できる範囲を把握し、ホテルや施設で待機できる余地を残しておく。空港へ向かう日は、通常の所要時間ではなく、車が見つからない時間まで含めて考える必要がある。
冠水した道路を無理に歩いたり、バイクで進んだりするのも避けたい。水深が分かりにくく、車両が通るたびに水位が変わる。安全な場所で雨と水が引くのを待つ判断も、旅行計画の一部になる。
雨季の旅行では「呼べるはず」を前提にしない
9月21日に現地から届いた「flooding」という一言と、レタントンからブイビエンへ移動できなかった体験は、後日報じられた冠水の数字より先に、街の変化を知らせていた。
23日のブイビエン通りでは、近隣で89.2mmの雨が観測され、水深は約30cmに達した。道路が止まれば、Grabの運転手も利用者も思うように動けない。アプリ上では目的地を指定できても、現実の道路が移動を許さない。
ホーチミンの雨季を旅行するなら、雨具だけでは足りない。予定どおり移動できない時間を、最初から旅程に組み込む必要がある。